ズームレンズを使いこなす。その3

ズームレンズの広角側と望遠側の特性(特長)

違いそのB 遠近感の違い

ズームレンズを使いこなす上で重要なのが、この遠近感の違いです。

下の参考写真でご説明します。

ma009.jpg

左の写真は、コンパクトデジカメ3倍ズームの最広角側で撮影しています。
右の写真は3倍ズームの最望遠側で撮影しています。

モデルさんの位置は変えず(当然背景の建物との距離も変わりません)、
カメラマンが前後に動いて、モデルさんの写る大きさを揃えるようにして撮影しています。

2枚の写真の木立や建物の写り方にご注目ください。
広角側で撮影した左の写真は、木や建物が遠くに離れているように写り、望遠側で撮影した右の写真は、木がモデルさんにせまっているように写っています。

広角側は遠近感を強調し、望遠側は遠近感が乏しく、前後が圧縮されたように写すことができます。

同じような大きさでモデルさんを写しても、広角側で撮影した場合と、望遠側で撮影した場合では、その写り方がずいぶん違うことがおわかりいただけるはずです。

もちろんポートレート以外でもこのことは同じです。

ズームレンズを使いこなす。その2

ズームレンズの広角側と望遠側の特性(特長)

違いそのA ピントの合う範囲

コンパクトデジカメではピントの合う範囲がとても広く、
ピントを合わせたところから前後にも広くはっきりと写ってしまいます。
たとえば、花を大きく写しても後ろがきれいにぼけてくれません。

ところがコンパクトデジカメでも10倍〜12倍ズームが付いている機種で、
その最望遠側を使えばさすがにピントの合う範囲が狭くなり、
ピントを合わせた部分以外をきれいにぼかして撮影できます。

ma011.jpg

上の写真は、コンパクトデジカメで10倍ズームが付いている機種の最望遠側で撮影しています。

一般的にはズームレンズの広角側では、ピントを合わせた前後にもピントの合っている部分が広く、望遠側では、ピントを合わせた位置以外はぼけて写りやすので、この特徴をうまく活用してイメージにあった写真を写すことができます。

ma072.jpg

同じ被写体を写しても前や後ろのぼけ方がきれいでコントロールしやすいことが、デジタル一眼レフを選択する理由の一つです。

ズームレンズを使いこなす。その1

ズームレンズの広角側と望遠側の特性(特長)

違いその@ 写り方

image4.jpg

上の写真を参照ください。
ズームレンズの広角側では画角(写せる範囲)が広く、広い範囲を写すことができます。

逆に望遠側では画角が狭く、橋の真ん中部分を切り取ったように写せます。

多くの高倍率のズームレンズはこの画角の調整幅が広く、それも望遠側に強く、離れた場所から被写体(写したいもの)を大きく写すことができます。

ズームレンズの使い方のその1は、写る範囲を簡単に調整できることです。

被写界深度を知る

ズーム・絞り・撮影距離で被写界深度が変化する。

被写体にピントを合わせたとき、ピントを合わせた前後、ある一定範囲もピントが合っています。
このピントの合っている範囲のことを『被写界深度』と呼んでいます。

この範囲が広い場合を『被写界深度が深い』、狭い場合を「被写界深度が浅い」と表現します。

お花畑で、手前の花にピントを合わせて大きく写し、遠くの山並みもはっきりと写したい場合は、被写界深度を深くして撮影します。
逆に、手前の花だけにピントを合わせて背後をぼかしたい場合は、被写界深度を浅くして撮影します。

被写界深度を決定する要素には、レンズの焦点距離(ズーム位置)、絞り値、被写体までの距離の3つがあります。

デジカメの場合は、さらに撮像素子(CCDもしくはCMOS)のサイズによっても被写界深度が変化します。
撮像素子のサイズが大きいほど被写界深度は浅くなり、小さいほど被写界深度が深くなります。
コンパクトなデジカメは、撮像素子が小さいので、最初から被写界深度が深く、1点だけにピントを合わせて、前後を大きくぼかす撮影は不得意だといえます。

ma072.jpg

上図は、広角レンズ(ズームレンズの広角側)と望遠レンズ(ズームレンズの望遠側)での被写界深度の違いを表しています。

広角側では、真ん中の背の高い木にピントを合わせた場合、前後の木も被写界深度の範囲に入っていますが、望遠側では被写界深度からはずれて、前後の木がボケ気味になっています。

一言で表現すれば、広角レンズ(ズームの広角側)ほど被写界深度が深く、望遠レンズ(ズームの望遠側)ほど被写界深度が浅くなります。
※ただし、レンズの絞り値は同じとします。

ma069.jpg

今度はレンズの焦点距離(ズーム位置)を同じにして、絞り値を変化させた場合のイメージ図です。

やはり真ん中の背の高い木にピントを合わせた場合、絞りを開いた場合(F値が小さい)は被写界深度が浅く、絞りを絞った場合(F値が大きい)は被写界深度が深くなります。

ma073.jpg

続いて撮影距離(カメラからピントを合わせる被写体までの距離)の違いで被写界深度の変化を比べたイメージ図です。

撮影距離が近いほど被写界深度は浅く、撮影距離が遠いほど被写界深度が深くなっています。

『被写界深度」は上記の3つの要素の組み合わせで決まります。

ある1点にピントを合わせて前後をぼかしたい場合は、できるだけ撮影距離を短くして望遠レンズを使用し、さらに絞りを開くのが原則です。

逆にできるだけ画面全体にピントを合わせたい場合は、遠景で広角レンズを使用し、さらに絞りを絞り込むことで目的が達せられます。

この原則は、デジカメを含むすべてのカメラでどんな場合でも当てはまりますが、たとえば超望遠レンズ(超広角レンズ)を使用した場合は、絞り値を変化させても被写界深度の違いは少なく、
撮影距離が極端に短い(超マクロ撮影)の場合も絞りの変化や焦点距離の違いが現れにくくなります。

※あくまでも上図3点は概念です。
実際の撮影は、表現したいことや被写体の配置など、それ以外の要素も複雑に絡み合っているので、その違いがはっきりと確認できたり、できなかったりすることがあります。

ホワイトバランスブラケティング

「ホワイトバランスブラケティング」とはなに?

自動で露出補正をして撮影する方法を前にご紹介しました。
これをオートブラケティング、と言いますが、露出以外にも様々なブラケット撮影ができるデジカメが増えています。

↓こちらの記事です。

「ブラケティング撮影を知る
露出の補正に迷ったらオートブラケティング撮影を。」
http://dedi-camera.seesaa.net/article/28321860.html

ホワイトバランスを自動的に変化させて3枚撮影できる「ホワイトバランスブラケティング」がその代表です。
彩度(色の鮮やかさ)やコントラスト、ピント位置などをあらかじめセットした量だけずらして(補正して)撮影できるデジカメもあります。

下は「ホワイトバランスブラケティング」で撮影した例です。
一番左が標準のホワイトバランス、2番目が青みが強く、3枚目は赤みが強い画像になっています。
通常ホワイトバランスブラケティングは、1回シャッターを押すだけで、デジカメの内部処理でホワイトバランスの変更、メモリーカードへの3枚の記録がおこなわれます。

ma068.jpg

作例では、一番右側の画像が実物の色に忠実でした。、

デジカメの種類やその時の状況によってできることや補正量が異なります。
詳しくは取扱説明書でご確認ください。

フィルターを使う 2

簡単で大きな効果が得られる特殊フィルターの使い方 2。
ソフトフィルター編・クロスフィルター編


今回ご紹介するフィルターは、画像の軟調効果があるソフトフィルターです。

このフィルターの表面には特別な加工が施されていて、滲んだような柔らかな描写が得られます。広角レンズから望遠レンズまで使えますが、やはり望遠レンズを使用して、花とか女性のポートレート撮影がきれいです。

ma082.jpg

(上段)は、ノーフィルターで撮影しています。
(下段)は、このソフトフィルターを使用して撮影しています。

次にご紹介するのはクロスフィルターです。

このような効果は、広告写真やテレビでもよく使われています。
光の輝きをより一層魅力的にしてくれるフィルターのひとつです。
面光源よりも点光源で効果的、光の筋が四方に広がります。

フィルターの回転で、光のクロスも回転しますから、一番きれいな光を見つけて撮影します。

ma083.jpg

(上段)は、ノーフィルターで撮影しています。
(下段)は、このクロスフィルターを使用して撮影しています。


フィルターを使う 1

簡単で大きな効果が得られる特殊フィルターの使い方 1。
PL(偏光フィルター)編


コンパクトデジカメでは、フィルターが取り付けられない機種があります。
又は専用のアダプターを装着しないとフィルターが付けられない機種もありますから、
取扱説明書でご確認ください。
デジタル一眼レフは、一般的に使用されることの多いレンズにはすべてフィルターが取り付けられます。

デジカメにはホワイトバランスを調整できる機能が付いていますから、色補正を目的としたフィルターは不要です。

レンズの保護を目的としたフィルターを除けば、デジカメでは、特殊な効果を得られるフィルターの使用が中心です。
中でも風景写真を撮られている方に人気の高いPL(偏光)フィルターは、その代表格です。

PL(偏光)フィルターは、青空の色を濃くして、遠景をクリアにし、色彩を鮮やかにする「色彩コントラスト」効果と、水面やガラスなどの表面反射を除去する「反射除去」効果の二つの効果があります。

言葉で説明するよりも、PL(偏光)フィルターを使用した実例をご覧ください。

PL(偏光)フィルターの使用例

色彩コントラスト効果の実際

ma080.jpg

反射除去効果の実際

ma081.jpg

いずれも上段がノーフィルターの場合で、下段がPLフィルター装着の場合です。もちろん同じ場所からほぼ同時刻に同じカメラとレンズで撮影しています。

※PL(偏光)フィルターの効果的な使い方は、フィルターに付いている使用説明書でご確認ください。

ブラケティング撮影を知る

露出の補正に迷ったらオートブラケティング撮影を。

デジカメで撮影するとき、一番使用頻度の高い設定変更(補正)は露出補正です。

これさえうまくできれば、他は特別何もしなくてもきれいな写真が撮れる、といっても過言ではありません。
ところが、慣れるまではなかなかピタリとうまく決まらないのがこの露出の補正です。

+(プラス)に補正した方が良いのか、−(マイナス)に補正した方が良いのか、迷ったときはとりあえず段階露出をしておきます。

標準露出(カメラが決めてくれた適正と思われる露出)でまずは1枚撮影し、続いてマイナスに露出補正して1枚、次にプラスに補正して1枚、と合計3枚撮影しておき、後から一番きれいに写っている画像(その時のイメージに一番近い画像)を選ぶことができるのが段階露出撮影です。

補正量はその時の状況で変わりますが、プラス・マイナスとも、0.6を基準にして、増減してください。

この段階露出撮影を自動でやってくれる機能が多くのデジカメやデジタル一眼レフに付いています。
それが、オートブラケティング撮影です。オートブラケットと呼んでいる場合もあります。

オートブラケティングを撮影メニューで選び、前もって補正量をセットしておきます。適正露出、プラス、マイナス、と3枚連続して撮影できる機種が多いのですが、前後2枚ずつ、合計5枚撮影できるカメラもあります。

後はシャッターを1度押すだけで、自動的に3回シャッターが切れて、露出の異なる3枚の画像が記録されます。シャッターは3回押すカメラもあります。

ma00067.jpg.jpg

上はオートブラケティングで撮影した例です。
まず1枚目に標準露出、2枚目でマイナス0.6、3枚目でプラス0.6で撮影されています。
順番はカメラによって異なることがありますし、変更できる場合もあります。

写された3枚の画像をパソコンに取り込んで確認したところ、プラス0.6で撮影した画像が一番イメージに近いのがわかりました。
| 露出

明暗差の大きな場合の撮影法を知る

デジカメでの撮影は、明るい部分を白飛びさせないのが原則。

下の写真は中山道・奈良井の宿(長野県)で撮影しています。

ma070.jpg

少し傾きかけた太陽は、道路や建物の下だけを強く照らし、日影の部分との明るさの差がが極端に大きくなっています。

このような明暗差の大きな光線状態の時、カメラ任せ(AUTO)で撮影すると、ピントを合わせた建物側面の日影の部分で露出を測ってしまい、日影や軒下はきれいに写っても、日が当たっている部分はほとんど真っ白になってしまうことがあります。

これはある程度は仕方がないことです。
人間の目は優秀で、暗いところから明るいところまですべて見えますが、カメラはそうではありません。
特にコンパクトなデジカメは、明暗差の大きな被写体が苦手です。
割り切って、どこかを犠牲にして撮影することが必要な場合があります。

たまたまこの写真では、落ち着いた歴史ある街並みが表現できていないので、この露出では失敗となってしまいました。

下の写真は、撮影位置、レンズの焦点距離(ズーム位置)は上と多少異なりますが、ほぼ同じ時間に同じ建物を撮影しています。

ma071.jpg

今度は、露出の補正をマイナス1.3にしています。
正面建物の側面は黒くつぶれ気味で、板貼りの壁の質感は損なわれましたが、はるかに民家の古さと雰囲気が伝わってきます。
背景には山があったこともわかりました。

太陽が直接当たっている舗装された道路は、これでもまだ白く飛び気味です。
もっとマイナスの補正量を増やせば陽が当たっている所は表現できますが、今度は建物が真っ黒くなり完全につぶれてしまいます。

上でも書きましたが、デジカメは明暗差が大きな被写体の撮影が苦手です。
この欠点を補うようにデジカメメーカーも様々な工夫を考案していますが、撮影者は露出の決定に配慮する必要があります。

迷った時は、デジカメの特性を生かして撮影後に画像を確認し、補正を繰り返してパソコンで確認したときに一番イメージに近い画像をOKとする方法を使ってください。

デジカメの種類やその時の状況によって露出補正量が異なります。上記の露出補正値は参考です。
| 露出

露出を知る

露出は絞りとシャッタースピードの組み合わせ。

『露出』とは、写真を撮るために必要な光をカメラ(デジカメ)に取り込むことですが、単純に言えば、「写真の明るさ」です。

露出という言葉は知っていても、普段その意味を考えることは少ないでしょう。
「AUTO」で写真を撮っていれば、露出を気にしないでもほとんどの場合、写真はきれいに写りますから。

露出は、絞りとシャッタースピードで調整します。

そして、この絞りとシャッタースピードとは何か、そしてこれを変化させるとどう写り方が変わるかを理解すると、写真の世界が広がり、より一層思い通りに写真を写すことができます。

たとえば、流れ落ちる滝の水を布を流したように撮りたい。
この場合はシャッター速度を遅くしてやります。

たとえば手前の花から背景の山並みまでもはっきり写したい。
この場合は絞りをできるだけ絞って写します。

このように、ある目的を持って写真を撮影する場合には、この露出の仕組みを知っていなければうまく撮れないこともあります。
デジカメではCCDに当たる光の量(フィルムカメラではフィルムに当たる光の量)が多ければ明るい写真になり、少なければ暗い写真になります。

この光の量を露光量と呼び、この量を調整しているのが、絞りとシャッタースピードです。

絞りは人間の目の瞳孔と同じ働きをしています。
瞳を開けば多くの光が入り、瞳を絞れば入ってくる光は少なくなります。
シャッタースピードは瞬き(まばたき)です。
強い光なら一瞬だけ開いて閉じ、弱い光の時は長い時間開いています。

CCD(フィルム)にあたる光の量が多ければ写る写真は明るすぎ、少なければ写真は暗くなります。 

絞りとシャッタースピードを組み合わせて最適な露光量をカメラが決めていますが、この機能を持ったカメラを「自動露出(AE)カメラ」と呼び、ほぼすべてのデジカメはこれを備え
ています。「AUTO」で撮影した場合は、この自動露出で写真の明るさを決めています。

露出は絞りとシャッタースピードで決まると書きましたが、光の量が一定だとすると、瞳を大きく開いて少ない量の光を取り込むか、瞳を絞ってたくさんの量の光を取り込むか、大きく分けて二つの方法が考えられます。

実際のカメラの場合はその中間の組み合わせも含めて最適と思われる絞りとシャッタースピードで撮影されます。これが自動露出(AE)の機能です。

瞳を大きく開いて少ない量の光を取り込んでも、瞳を絞ってたくさんの量の光を取り込んでも光の量は一定になるのですから、写る写真の明るさは同じです。

ma074.jpg

わかりやすくするために、絞りとシャッタースピードの関係をバケツに水を入れる場合に例えてみます。

CCD(フィルム)に当たる適切な光の量を、バケツ一杯の水の量に相当するとした場合、細い蛇口から長い時間をかけて水を入れる場合と、太い蛇口で短時間で水を入れる場合に置き換えて説明します。

どちらの場合もバケツいっぱいの水の量は同じです。
デジカメで言えば、CCD(フィルム)に当たる光の量は同じ。

蛇口の広さが『絞り』、水を入れている時間が『シャッタースピード』に相当します。

バケツにいっぱいにならなければ、『光の量』が足らないと同じで写真は暗くなります。

蛇口を広くするか、水を入れる時間を長くするかしないとバケツに水がいっぱいになりません。

逆にバケツからあふれ出るほどの水は『光の量』が多すぎることになりますから、そのときは蛇口を絞るか、入れる時間を短く
してやります。

これが『絞り』と『シャッタースピード』の関係です。

ところが絞りとシャッタースピードの組み合わせ方を変化させると、写真ががらっと変わってきます。
絞りを開くとピントの合う範囲が狭くなり、絞ればピントの合う範囲が広くなります。

実際の撮影では、手前から後ろまですべてピントが合っている写真を撮りたければ絞りを絞り、後ろをぼかした写真が撮りたければ絞りを開いて撮影します。

シャッタースピードが速い場合、動いている被写体も止まっているかのように写すことができます。
遅い場合は、逆にゆっくりした動きの被写体でも流れたようにしか写すことができません。

写真のおもしろさの一つは、絞りとシャッタースピードの組み合わせ方で表現を変えられることです。
同じ被写体を同じレンズで同じ位置から撮影しても、絞りシャッタースピードの組み合わせ方で全く雰囲気が異なる写真になることを知りましょう。

ma075.jpg

上図は、絞りとシャッタースピードの関係です。

どの組み合わせも全く同じ明るさです。
絞りを絞ればシャッタースピードは遅くなり、絞りを開けばシャッタースピードは速くなります。

※これはある特定の明るさの時の例で、いつもこの混み合わせではありません
| 露出